釘袋の選び方や道具箱の中身!【プロの大工用】おすすめの整理法

大工が使う釘袋や道具箱とその中身をご紹介

今回はプロの大工である作成者が使用している釘袋や道具箱の使い方や整理法についてまとめました。

また普段持ち歩く道具や道具箱の中身(便利なおすすめ道具)についてご紹介します。

※大工道具に関しては、地域や会社の仕様によって使用する道具も違うと思います。

目次

道具箱画像
作成者プロフィール

説明用動画

道具箱の中身などの紹介
・僕の道具箱
・道具箱上部に入れている細かい道具
・道具箱下部に入れている道具
・おススメの釘袋

釘袋について
・釘袋とは
・釘袋のデメリット

僕の釘袋の使い方
・持ち歩く道具の選定と工夫
・普段持ち歩く道具について
・釘やビスについて

道具箱について
・普段は不要な道具がある
・他業者との比較
・僕が行った必要な道具の選別について

道具箱を整理するメリット
・現場や車が片付く
・雨に濡れない
・現場に道具を忘れにくい
・使う道具を見つけやすい
・消耗品に気づく

今までご紹介できなかったおススメ道具
・回転砥石ビット
・ウォーターポンプ プライヤー
・ハンドタッカー
・20mの手巻きメジャー
・ハサミ

最後に

大工道具(手道具)についてのまとめページはこちら
大工マニュアルのトップページはこちら

記事の作成者

深田健太朗深田健太朗 京都府出身 1985年生
一級大工技能士や二級建築士、宅建士など住宅に関連する国家資格を5つ持つ大工です。
人生で最も高価な買い物である住宅に関わることに魅力を感じて大工職を志しました。
大工職人減少は日本在住の全ての方に関わる重大な問題だと考え大工育成のための教科書作りや無料講習を行っています。

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説明用動画

このページの説明用動画です。
文字で伝えにくい部分は、映像で詳しく説明しています。

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道具箱の中身などの紹介

 

プロの大工が持ち歩く道具箱

・道具箱

リングスター ジョイクラブRB RB-4500

作成者は幅23cm長さ45cmほどの二層式の樹脂製道具箱(リングスター製)を使用しています。

・道具箱上部に入れている細かい道具

道具箱上部に入れている道具について

細かい道具

カッターナイフ・はさみ(家庭用)・下地探し(針タイプ)・ドライバー(+と-)・ポンチ(釘締め)・釘打ち機用オイル・小バール・ニッパー・ラジオペンチ

インパクト用のビット

インパクトケースを使用しないので、インパクト用のビットが各種入っています。

ソケットビット・L型ビット・木工錐ビット(ギムネ)・鉄工錐ビット・面取りビット(木工用・鉄工用)・1番、3番の+ビット・-のビット・円盤砥石ビット・三角下穴錐・自在錐・カルコやビット、電池などの予備・カッターナイフやマルチツールの替え刃

・道具箱下部に入れている道具

道具箱下部に入れている道具について

普段から使う道具

墨壺・糸巻・面取り鉋・バール・ロールペーパーブロック(持ち手を改造)・30㎜の錐・ウォーターポンププライヤー(アンギラ)・勾配定規(丸ノコ用)・丸ノコ刃などの交換用ボックスレンチ(10㎜と9㎜)・墨汁・ボードセット(ヤスリと面取り、カッターナイフ小)・電気の三又・コーキングヘラ・延長ビット(30cm)・鋸の替え刃

新築現場で一度は使用する道具

20メートルの金属手巻きメジャー(土台用)・19㎜のレンチ(鋼製束用)・さげふり(確認用)・ハンドタッカー(シートや断熱材用)・24㎜ボックスビット(ホールダウン用)・パイプカッター(ハンガーパイプなど)

・おススメの釘袋

三共コーポレーション 釘袋

釘袋は口が開いているタイプの安いものです。
左側に鑿刺し(2本差し)と、右側にボンドチューブ用のホルダー(薄いタイプ)をつけています。

左側に墨壺ホルダーが付いていますが邪魔になるので切り飛ばします。

三共コーポレーション フラットポケット

ボード張り作業の際のカッターナイフの持ち歩きにもちょうどいいサイズです。

コヅチ ヌメ皮ノミケース2丁入 1寸、1寸4分用

鑿(のみ)はサイズ別で二本持ち歩きます。

鑿(のみ)についてまとめたページはこちら

ベルトは安全帯などが使用できるタイプで、腰をガードする腰当てを付けています。

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釘袋について

釘袋(腰袋)は職人それぞれに工夫があります。

・釘袋とは

建築職人は大工以外も、道具を使いやすいように持ち運ぶために腰袋を装着します。

釘袋は大工が使用する腰袋のことを言います。
大工が手打ち釘を持ち歩くために使用していたので、釘袋と呼びます。

釘袋についての様々な考え方

大工それぞれに施工に対しての考え方があり、それぞれの目的に合わせて釘袋や持ち歩く道具をチョイスしています。

考え方の例

・釘袋を付けていないと大工じゃないと思うタイプ
・基本的に釘袋を付けないタイプ
・全部持って歩くタイプ
・必要な道具だけ持ち歩くタイプ

など

・釘袋のデメリット

1・重くて疲れる

大工道具には重たいものもあり、たくさんの道具を入れた腰袋を着けた状態で一日動き回るると、疲れてパフォーマンスが下がる可能性があります。

2・無駄に周りを傷付ける可能性がある

大工道具はほとんどが金属製で、腰袋に収まらない形状のものがあり、仕上がった現場やしゃがむ姿勢での作業で着用すると、人や家に傷をつけるリスクが高くなります。

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僕の釘袋の使い方

僕が使用する釘袋はシンプルに

釘袋の扱いは会社やお客さんによっても価値観は違いますので、これが正解というわけではありません。

僕は、釘袋を着けるか着けないかではなく、物を作るか作らないかだと考えていますので、釘袋の装着が絶対に必要とは考えていません。
持ち歩く道具も、最小限に抑える工夫をしています。

・持ち歩く道具の選定と工夫

釘袋が絶対必要な施工

歩き回る作業で必要な道具が多い場合には、絶対に釘袋が必要です。


建前や下地作業・ボード張りなど

持ち歩くものを減らす工夫

施工順序を工夫すると、持ち歩く道具を減らすことができます。
一つの道具で行う作業を一度にまとめて行うことができると、その道具を持ち歩く必要が無くなります。

石膏ボード張りで使用する道具についてまとめたページはこちら

・普段持ち歩く道具について

絶対に釘袋に入れる道具

僕が釘袋を着ける場合に絶対に入れるのは、金槌とコンベックス(スケール)と鑿(2本)です。

コンベックスについてまとめたページはこちら

作業によって持ち歩く道具

鑿で切れない(切りたくない)ものを切るときにはカッターナイフ。
リフォームでは木工用ボンドやインパクト用のギムネを入れておくと便利です。

カッターナイフについてまとめたページはこちら

なるべく釘袋に入れないもの

僕はバール・墨壺・さしがね・手ノコは普段は持ち歩きません。
差し金や手ノコ・バールは落とした時に周りに傷をつけるリスクが高い道具です。

墨壺についてまとめたページはこちら

インパクトドライバーや釘打ち機などのように、作業前から必要と判断できるものは、持ち歩いていなくても効率は落ちません。
特にバールは、作る作業には必要がありませんので、解体以外では持ち歩きません。

持ち歩かないことでのメリット

釘袋の中身を少なくしていると、釘袋に余裕ができるので、その場で必要な道具(豆鉋など)を持ち歩くことができます。
また、金物(かすがいやロール釘)を持ち歩いたり、逆にボード張りの際に抜いた不要なビスを集めておくこともできます。

・釘やビスについて

釘袋と呼んでいる腰袋ですが、僕が釘やビスを入れることは最近では稀です。
近年では多種の金物(ビス)を使い分けるので、釘袋の中で混ざると作業効率が下がります。
金物を持ち歩く際には箱のまま持ち運ぶか、一時的にズボンのポケットに入れて持ち運びます。

大工が使用するビスについてまとめたページはこちら

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道具箱について

道具箱を整理すると施工効率も上がります。

僕が使っている道具箱の使い方をご紹介します。

・普段は不要な道具がある

大工は様々な施工を行うため、道具の種類が多くなりがちです。

現状持っている道具は全て必要だから買った道具なのですが、道具箱の中には同じもの(無くしたと思って買い直したもの)や、一年以上出番のないマニアックな道具がたくさん入っているものです。

・他業者との比較

建築業界を見ても、なぜか大工だけは道具が散乱しがちな職業です。
原因は現場全体を施工することや、工事が数日かかることも多いことです。

設備業や電気業の職人さんは、毎日のように違う現場を回るので道具は厳選されて整理されています。

・僕が行った必要な道具の選別について

道具箱(普段持ち歩く道具)の整理を行うために僕が行ったことについてご紹介します。

僕の施工スタイル

僕は割と道具が好きな方でもあり、リフォームも新築など関わる仕事も様々で、気が付けばたくさんの道具を持っていました。
もともとあまり片付けることが好きではなかったのですが、散らかっていると効率が悪いことに気づきました。

持ち歩く道具の選別基準

僕の普段道具箱に入れて持ち歩く道具の選別基準は、一現場で一度使用する道具と、小さい道具で使えそうなもの(特殊な錐など)です。

例えばスコヤや毛引きなどは使うこともありますが、現場で一度も使用しないこともあります。
必要な時だけ持っていけばいいと思えば、道具箱に入れておく必要が無くなります。

スコヤなど墨付け用定規についてまとめたページはこちら

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道具箱を整理するメリット

道具箱を整理することでの5つのメリット

・現場や車が片付く

道具が片付くと現場も片付けやすくなり、結果的に片付きます。
車は必要な道具の運搬だけに使用すると、道具を車に載せておく必要が無くなります。

大工が使用する掃除道具についてまとめたページはこちら

・雨に濡れない

道具は概ね水に弱いので、濡らしたくありません。

一日限りのリフォームでは、屋外に道具を仮置きする必要もありますが、道具箱に入れていると思わぬ雨でも安心です。

・現場に道具を忘れにくい

大工道具は道具の種類が多く、現場移動の際に忘れてしまうことも多々あります。
一つの道具箱をいつも整理していると、道具箱の収まりを見るだけで道具忘れに気が付くことができます。

・使う道具を見つけやすい

道具箱に整理していると、必要な時に取り出しやすくなります。

自分の道具はもちろんですが、他人でも探しやすくなります。
他人の車から道具を探すのは大変です。

・消耗品に気づく

道具箱には替え刃や替えビットなどの消耗品も入れています。
常に確認するので、替え刃切れ(必要な時にない)などの事態を防ぐことができます。

ビスと併用して使用する錐などについてまとめたページはこちら

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今までご紹介できなかったおススメ道具

細かい道具の中にもおススメ道具があります。
是非参考にしてみてください。

・回転砥石ビット

SK11 ダイヤモンドシャープナー #400/#1000 両面 50mm

ギムネ(木工錐)や鉄工錐などを研ぐための、ヤスリの代わりに使用できるインパクトドライバー用のビットです。
研ぐのに少しコツが必要ですが、ダイヤモンド砥石を回転させて使用するので、ヤスリの何倍も速く研ぐことができます。

・ウォーターポンプ プライヤー

トップ ウォーターポンププライヤ

バールの記事でご紹介しましたが、リフォームで大活躍する道具です。
京都ではアンギラと呼ばれていて、釘抜きや釘折りはもちろん、モンキーレンチの代わりなどでも使用します。

 

・20mの手巻きメジャー

KDS カクロング10巾20m

土台敷きの際にとても便利な道具で値段も安いのでおススメです。

メジャーはスケール(コンベックス)と違い0点(始点)が中程にあるので寸法が図りやすい他、対角を測れる長さ(一般住宅の場合)があります。

・ハンマータッカー

マックス ハンマータッカー

ホッチキスのような弾を金槌の要領で打ち込む道具です。
同弾を押し当てた状態で打つタッカーもありますが、どちらか一つ持ち歩くなら、こちらがおススメです。

メーカーはマックス製とスウェーデンと呼ばれるものがあります。
メーカーごとに弾の形状が異なるため、購入時には周りの大工さんに確認することをお勧めします。

・ハサミ

一般用のハサミも意外に便利です。

僕は家庭用のハサミを道具箱に入れています。

あまり大工さんが持ち歩くイメージのない道具ですが、シート系の建材を張る際のカットにカッターナイフより扱いやすい場合があるのでおススメです。

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最後に

今回はこれまでご紹介できなかった道具も、まとめてご紹介もさせていただきました。

道具箱や釘袋に関しては、大工さん個々に価値観が違いますので、これが正解というわけではありませんが、整理についての基準は現場や車の整理や使い方にも共通して取り入れることができ、身に付けば楽に整理できるようになります。

片付けの時間は効率が良いに越したことがありません。
自分なりの基準を決めて簡単に綺麗に気持ちよく工事を行ってください。

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大工道具(手道具)についてのまとめページはこちら
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