大工に必要な学力【プロが解説】学歴不要の落とし穴

今回はこれから大工を目指す方向けに大工に必要な学力(学歴)についてまとめました。

目次

大工に学歴は不要
・中学校で習うことは必要ない
・小学校で習うことは絶対に必要
・学校で学ぶべきこと

中卒のメリット
・若い頃から始めるメリット
・必要な勉強はいつでもできる

学歴不要の落とし穴
・大学に入れる学力は必要
・弟子入りは入学と同じ

始めてから向いていないと感じた場合
・体力的な問題
・技術や知識の量について
・責任の大きさについて

最後に

大工に学歴は不要

大工に学歴は不要です。
学歴が必要ない理由をまとめました。

・中学校で習うことは必要ない

作成者の経験から(作成者は中学校で勉強をしていない)中学校で習う勉強は必要ないと感じています。

大学進学用の内容

中学校で教えられる勉強は大学進学のための内容です。

無駄になる勉強の例1

営業を行うために国語力は必要ですが、大学進学用の国語力では結果を出すことができません。

※国語力のないお客さんに伝える必要があるため

無駄になる勉強の例2

社会を学ぶのであれば専門的な情報を勉強する必要があります。
お医者さんになるのであれば病気や医療の歴史や現況を把握することが必要で、建築も同様です。

大工をするには内容が浅い

大工を目指す場合には中学校で教えない内容が必要になります。
作業以外にも法律やお金、経営などについて学ぶ必要があります。

・小学校で習うことは絶対に必要

小学校で習う内容は建築でも不可欠です。
建築士試験でも理科や数学の基礎は必要になります。
国語や社会も専門的に学ぶための基礎が必要になりますので不可欠な内容になります。

・学校で学ぶべきこと

学校でも学べることがあります。

校則を守る

弟子入りは勉強の身でありながら、社会人の仲間入りをすることになります。
社会人は高校生のように同学年での組織ではありませんので、理不尽に感じることもたくさんあります。
若くしてルールを変えることはできませんので、ルールを守りながら自由を見つける練習を行っておく必要があります。

コミュニケーション

家づくりはチームで行う仕事なので横の繋がりが非常に重要になります。
大工は客商売でもあり、コミュニケーションが取れないとお客さんを満足させることができません。
苦手な人とでも最低限の関係を保つ練習が必要です。

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中卒のメリット

大工を目指す場合には中学卒業後、すぐに始めることをおススメします。
大工さんの中には大学を出ている方もたくさんいますが、実際に現場で能力と学歴が比例するケースは少く、中卒の方に比べて大卒の方は高校、大学と7年間の出遅れが発生することから焦って修行を早めに切り上げて独立するケースも多くなるようです。

・若い頃から始めるメリット

一人前の大工になるためには10年ほどかかります。
職人社会に年齢は関係ありませんので、大学卒業後22歳で初めると中卒で始めた18歳の2年目大工が先輩になります。

大工以外の仕事に就いた同時期に始めた友達は早くに一人前になり給料をもらいますので、給料面でも時間面でもコンプレックスになります。

もちろん大人になって大工を始めることも可能ですが、若い頃から始めた方が楽なのは確かです。

・必要な勉強はいつでもできる

高校に通わずに大工を始めると勉強し直す必要もでてきます。

勉強はいつでもやり直すことができ、近年ではネットの普及で、無料教材も豊富です。
勉強は興味がある方が覚えるのが早く取り返しがきくので問題がありません。

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学歴不要の落とし穴

・大学に入れる学力は必要

大工に学歴は必要ありませんが、大学に入学できるくらいの学力(暗記力や計算力)は必要になります。
大工になるのは医者程に難しく一定の適性が必要です。

※実際に何人か「高校の勉強についていけなかったから大工になった」という子がいましたが、全員大工になることを諦めました。

・弟子入りは入学と同じ

弟子入りは就職ではありません。
大工になるために高校、大学の代わりに親方に弟子入りして実務を学ぶ環境です。

フリーランスである大工には学校もありませんが、就職活動もありませんので、親方のお墨付きが学歴や資格となります。

従業員としての大工修行はおススメしません。
従業員大工は作業内容が少ないので早く一人前になれた気になりますが、給料体形や責任体系も作業員に近い存在になり、その会社を出ると弟子入りのやり直しが必要になります。

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始めてから向いていないと感じた場合

中卒で建築業に飛び込むのはリスクについても考える必要があります。
もし大工を始めてから自分には向いていないと感じた場合についてまとめました。

・体力的な問題

大工は技術職でありながら一定の体力も必要な仕事です。
実務を経験する中で筋力はつきますが、手間請け形式で工事を請ける以上工事の早さは給料に影響します。

体力に限界を感じても建築には大工知識を活かせる仕事がたくさんありますので、十分に活かすことができます。
営業や現場監督、設計や不動産など、大工知識と組み合わせることでお客さんの満足につながります。

・技術や知識の量について

大工に必要な技術や知識は膨大で全てを覚えることは難しいかもしれません。

大工の需要は無くなることがありませんので、技術さえあれば従業員のように作業のみ行う場合でも仕事に困ることはありません。

・責任の大きさについて

大工はお客さんが長期的に使用する住宅の施工責任者でもあります。
請負は責任を負うことで発生する仕事なので責任が負えないと大工は務まりません。

むしろどんな仕事も務まりませんので、自信がつくまで実務を経験してください。

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最後に

大工は学歴不要です。

学歴不要というのは誰でもなれるということではなく、覚悟をもって中卒で飛び込む仕事だということです。

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