大工マニュアルは気軽に利用できる大工育成のための教科書としてまとめています。
大工マニュアルの構成(目次)
大工の基本知識
・ハンドツール
・パワーツール
・建材や金物知識
・関連知識
住宅関連知識
・建築に関する知識
・暮らしに関する知識
作成者
深田健太朗 京都府出身 1985年生
一級大工技能士や二級建築士、宅建士など住宅に関連する国家資格を5つ持つ大工です。
人生で最も高価な買い物である住宅に関わることに魅力を感じて大工職を志しました。
大工職人減少は日本在住の全ての方に関わる重大な問題だと考え大工育成のための教科書作りや無料講習を行っています。
大工の基本知識
大工は現場での臨機応変な工夫が求められる仕事です。
大工の器量(腕の良し悪し)や工夫する力は末端知識である道具知識や材料知識の量で大きく差が出ます。
・ハンドツール(大工道具)
歴史が長く世界的にも評価されている大工刃物や墨付け道具や近年求められる工法に必要な道具など、特徴を理解して使用すれば素早く精度の高い施工が可能です。
・パワーツール(機械工具)
木材通しを組み合わせる仕口や継ぎ手の刻みや、部材を仕上げる加工などそれぞれ別の工具があります。
・建材や金物知識
建材には無垢材と新建材がありそれぞれに特徴が違います。
大工はそれらの建材を状況に応じて金物(釘・ビス・ボンド)で固定を行います。
・関連知識
大工が行う日本の建築には古い歴史や文化があります。
その中には大工が守らないといけない決まりも多くあります。
技術(基本作業)
大工工事は墨付け、刻み、取り付けなど基本的な作業の連続です。
効率の高い基本作業は状況により変わりますが、状況に応じた基本知識の組み合わせを覚えることで余裕が生まれます。
・段取り作業
大工が作業前に行う段取り。
モノづくりにおいて計画や準備は非常に重要です。
最終的にはこの段取りが大工に最も必要な技術となります。
・加工作業
大工工事を行う上で特に技術の差が出やすい作業です。
大工道具(ハンドツール)や機械工具(パワーツール)を使い分けて効率よく作業を行います。
・取り付け作業
大工工事を行う上で最も知識が必要な作業です。
建築物は非常に長く使用する物なので確実な固定が必要です。
在来建築知識
在来建築(現在の新築)はコストパフォーマンスと性能が両立された構造です。
在来建築はリフォームやオーダーメイドの工事を行う基準になるので不可欠な知識です。
・構造工事
地震の多い日本の建築物において構造耐力は非常に重要です。
木造住宅では構造用部材が仕上がりに影響する場合も多く、一度に二つ目的を達する工事を行う必要があります。
・下地工事
構造工事と仕上げ工事を繋ぐ工事です。
リフォーム工事は特に、下地工事での段取りが仕上がりや工期に影響します。
下地が悪いと仕上げ材も美しく仕上がりません。
・仕上げ工事
仕上げ工事は化粧材の扱いがポイントになります。
長期で使用しても美しさを保つ仕上げ工事を行うには、経年劣化について把握する必要があります。
住宅関連知識
大工が工事を行うのはお客さんが長期間住まれる住宅です。
住宅には建築以外に不動産や予算、法律など様々な要素が関係します。
大工には住宅を扱うものとしての責任が求められます。
・建築に関する知識
建築物に求められることはお客さんの暮らしだけではなく、街並み(インフラや法令)に合わせた形でなければなりません。
建築工事は大工工事だけではないので棟梁(工事責任者)である大工は建築物全体について理解している必要があります。
・暮らしに関する知識
住宅購入は一般の方の予算(家計)設計において大きなイベントの一つです。
住宅に関する相談を受ける立場である大工は住宅に関わる要素について理解しておく責任があります。
最後に
大工マニュアルはまだ作成中です。
可能な限り早く完成させて使いやすいようにまとめたいと考えています。